日本セイルトレーニングスクール

事業実績(2011年)

帆船「Ami」セイルトレーニング in 駿河湾(2011年)
■ 2011年11月13日(日)開催

帆船Amiを用いて本年度2回目のセイルトレーニングを実施しました。

今回は、前回セイルトレーニングの参加者アンケート/インストラクターミーティングから見えてきた課題の修正を行いながら、より教育成果の出易いプログラム運営を目指しました。

参加者集合1時間前から、STSJスタッフによる各コントロールラインなどロープ類のセット/適正な舵取りを行う為のセットアップ/乗船前準備などを行い、参加者の集合を待ちます。今回の参加者は、沼津・三島市内のフリースクールから2名、NPOから1名の計3名となります。


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出航に先立ち、着岸状態で基礎知識のレクチャー・操舵練習・オーダーコールなどの練習を終え、いよいよ出航。漁船の多いエリアを避けて帆走ポイントに向けて機走しながらセイルをセット。 しかし、風が全くなく、機走しながらの操舵練習に入りますが凪(なぎ)の状態に悩まされ続けました。    

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昼近くにようやく微風を捉えて帆走に入りましたがタッキングを行うだけの風力を得られず、風が吹くまで帆走によるトレーニングを休止し、マスト登り、ロープワーク講習というプログラムに変更し、風を待ち続けましたがセイリングできるほどの風は遂にやって来てはくれませんでした・・・

セイルトレーニングは、気象条件によって実施するプログラム内容が大きく変わってくることがあり、今回のような小型帆船/日帰り/凪(なぎ)という状況の中で、どのようなプログラムを実施すれば教育効果のあるトレーニングが行えるか、今後実施プログラムのバリエーションを増やしてゆかなければならないことを痛感しました。

今回は、上記のような航海を通じて参加者の内面的成長を産み出すには非常に厳しい環境でしたが、参加者の1人には下記のような航海前後の心理変化が現れました。

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「船の舵取りをすることは気持ちよかったが、初めて会った人と一日行動することで気疲れした」という感想文がありましたが、質問内容の分析から
   ・ 操船指示や初めて会った人との共同作業で意思が通じた(チームワーク)
   ・ 船内作業で自分から相手に働きかけをしていた(チームワーク)
   ・ 初めての責任ある役割を最後まで果たせたことでの自信(ポジティブ思考)
という仮説が見えてきました。
日常生活では、周囲に対して思いやりのある人でも、自分自身が精神的に余裕のない状況では周囲の 仲間を思いやる気持ち(ホスピタリティ)の余裕がなくなってしまっていたことがわかりました。


                           Ami2011_2_c

今回の航海は、今までリスクマネジメントとして「荒天」時の対応ばかりに気持ちが向いていましたが、快晴無風という一般的な「好天」時の凪の海で、どんなプログラムを用意するかということを改めて考えさせられました。

航海日数が長く、様々な気象条件に遭遇し自然の力を借りながら航海し自然とともに歩むことが、本当の意味でのセイルトレーニングと言えるかもしれませんが、入門プログラムとしての日帰り航海で何かしら参加者が自分の成長を実感できるようなプログラムを考えることもセイルトレーニングがより多くの人に支持される教育に進化していくためにも必要なのではないかと考えています。

最後になりますが、今回の沼津でのセイルトレーニングに対してご寄付をいただきました皆様には、この場をお借りして重ねて心より御礼申し上げます。


■ 2011年10月29日(土)開催

帆船Amiを用いて本年度初めてのセイルトレーニングを実施しました。

帆船Ami号を貸し切った新しいプログラムを実施する航海であることから、事前準備に大わらわでしたが、何とか準備も間に合い予定通りのセイルトレーニングを実施できました。
朝の天気図・予報から心配されていた「快晴無風」状態は回避でき、終日セイリングに適した風に恵まれ、プログラム内容と教育効果の連動を確認する大きな転機となる航海となりました。

今回のセイルトレーニングは、帆船の特性が「小型」「縦帆」で、感覚的に「ヨット(セイリングクルーザー)」に近いことから、「中型帆船」用宿泊航海プログラムとは全く異なるプログラム内容/インストラクション手法を新たに開発し、初めて現場で実施しました。

実際の航海は、下記の航跡図に示すように、教育効果の最大化を目的に外洋ではなく駿河湾の湾内でジグザグ・8の字など細かな動きを繰り返す帆走を行いました。

帆船『Ami』航跡図1

今回は、日帰り航海/少人数チーム作業という極めて限定的なセイルトレーニング条件下でも共同作業等を通じて一定の教育効果が現れるよう少人数チーム編成を行いました。
参加前後でトレーニー(参加者)には下記のような心理面の変化がありました。

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トレーニーの感想文には、
「日常生活で忘れかけていた周囲の人たちと協力することの大切さを改めて気付いた」
「協力して一つの作業を完成させることの大切さを学んだような気がする」

といった「仲間と力を合わせるチームワーク」「その中で一人ひとりの役割を果たそうと考える状況認識力」が大きく伸びていることを裏付ける感想が見受けられました。
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                           Ami2011_1st_b
今回の航海は、帆船の大きさとしては「小型」・航海日数としても「半日」と云う制約条件がある中でも運用次第ではセイルトレーニング入門編として一定の教育効果が得られるプログラム/指導方法が見えてきたという点に於いて意義のある航海でした。

最後になりますが、今回の第1回目航海に先立ちご寄付をいただきました皆様にこの場をお借りして 心より御礼申し上げます。

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